フォルスターフタマタクワガタ 亜種キヨタミ 24-kiyotamii-8048(CBF2)



種親紹介


 

フォルスターフタマタクワガタ 亜種キヨタミ

ミャンマー連邦共和国サガイン CBF1

 

♂80.5mm(2024年6月羽化)

 

kzustorn氏より譲っていただいた個体達です。

種親が♂82mm、♀47mmと比較的大型化が期待できる血統になります。なお北斗恵栽園様のクワガタ発酵マットで飼育し、同腹兄弟は70%以上が80mm OVERと十分過ぎるほどの血統背景です。

 

♀48.4mm (2024年6月羽化)

 

同腹の♀になりますが、準ギネス級の超大型の個体です。後にも言及しますが、この子はペアリング直後から止まり木に産卵してくれた多産傾向の子だったこともあり、次世代への期待も高まります。

写真は産卵を終えた後に撮ってますので、右前の符節は欠けてしまっていますが、現状は非常に孵化率も良く、母子共に健康であることを願います。

 


飼育環境


 

ミャンマー・サガインは平地であれば毎月最高気温は30℃越え、最低気温は夏場は28℃ほど、冬場は15℃ほどと安定した温度帯を推移します。

一方で600m級の山が点在する地域でもありますので、比較的低温種に属する本種はそんな地域に生息しているのでしょうか。

我が家の飼育温度としては22℃ぐらいの管理がベースになりますが、前述の通りこの温度で活発に交尾も産卵もしてくれているので良いぐらいなのでしょう。

基本的に我が家の飼育温度であれば常時産卵可能で最も好ましい種類かもしれません。

 


飼育方針


現状、ギネスは2014年に登録された♂89.0mm、♀は2011年に記録された49.2mmですが、潜在的にはもう少し大型を飼育されている方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

 

 

顎の立体感と全体的なバランスが物凄く格好いいので顎の太さ、内歯の整い方などに注力しながらブリードしていきたいですが、とはいえ、縦にスラっと伸びる種類ですので、体長も求めていきたいと思います。

幸いこの文章を書いているタイミングではすでに80.5×48.4の産卵セットの割出し(想定外の大爆産で3材で卵幼虫合わせて60頭)は完了しており次世代の確保出来ています。

 

 

さて、悩ましいのがその幼虫の飼育方針です。

というのもフォルスターフタマタクワガタはマットでも大きくなる種類で、記憶が正しければ現在のギネス記録もマット飼育から産出されたはずなので、根気強くマット飼育を続ければ良い虫は狙えるはずです。

 

しかし、ここでネックとなるのがマット飼育による幼虫期間の長さと羽化ズレです。大型の♂にもなると約2年はマット飼育をすることになり、累代を考えると3年1単位のスパンになってしまいます。下手するとゾウカブト並のこの長さをモチベーションを維持させながら過ごすのは並大抵では出来ません。

羽化ズレに関しても♀と1年間以上ズレるようだと予定の組み合わせでペアリングするどころか累代が途絶えることが濃厚になります。

捨て難いのは予算的な部分で、いくら高級なマットを使用したとしても菌糸に比べると安上がりです。手間もほとんどかからないことを考えると有意義な選択肢であることは違いありませんが、前述の飼育期間がネックとなっています。

ということで、現在私が検討しているのが主力のオオクワガタ飼育同様、菌糸瓶による管理です。

当然、マットよりも高価になってしまいますがそこは” 時は金なり “。スピーディーに成長を遂げてもらい1年半〜2年ぐらいのスパンでの累代というのが現実路線です。当然、菌糸瓶でも羽化ズレは生じてしまうでしょうが、幸いにも成熟が早く寿命は長めの種類なのでなるとかなる範囲ではないかと思っています。

菌糸ということになれば菌種の選定と温度管理が重要になってくるわけですが、取り入れていないカワラタケを導入するよりも既存の菌糸か他のブリードでも使える菌種を選びたいところです。

 

 

候補として挙げているのが、G-ZEROを使用したオオヒラタケ飼育かMT160を使用したシワタケ飼育です。

前述のオオヒラタケに関しては先人の方々がおられるのでおおかたミスマッチもせず順調に飼育できそうです。

幼虫期間もうまくいけば1年ぐらいで済みそうですし、なによりもオオクワガタと同様に仕込みが出来れば楽(肉体的には負担増ですが、、笑)です。

後述のシワタケはおそらくフォルスターキヨタミで使っているブリーダーさんはほとんどいないのではないでしょうか。

シワタケを使ったことがない身で大口を叩くのもあれですが、マットで十分大きくなり菌糸が食べられる幼虫であればシワタケにアジャストさせれば爆発力が期待できるかもしれません。どちらにせよ、マレーアンタエウスのブリードを本格始動させるのが2025年ですから来年はMT160を使っていこうとは思っています。であれば、試験的にフォルスターキヨタミ×MT160もやってみたいところです。適性が合わないからやっている人がいないのかもしれませんが、もし合えば、、、ブリーダーとしてはそんな浪漫を感じずにはいられません。

 

まとめると現状では、キヨタミの幼虫飼育は三本柱になりそうです。

  1. マット飼育
  2. G-ZERO菌糸飼育
  3. MT160菌糸飼育

個人的に楽しみなのは3番なのですが、最もリスクのある飼育方針ですので、初年度は頭数を制限して累代を優先しようと思います。

100頭規模で飼育出来ると想定した場合、比率は3:5:2ぐらいのイメージでしょうか。

とりあえず、今年の幼虫達は続々と孵化してくれているので、早ければ10月頃からそれぞれの飼育法に移行させていく流れになりそうです。