アンタエウスオオクワガタ インド・ウエストベンガル州タイガーヒル 赤目


 


またまた増種。


 

ワインセラーの導入により低温に適性のあるクワガタの飼育が可能となりまして、憧れだった種類を着々と増やしているわけでございますが、ちょっとレアな個体をゲットしてしまいました!

やっぱり好きなんですよねオオクワガタ。

中でも特別なのはアンタエウス。

もちろん国産も好きですよ、でもアンタエウスはなんか、違うんですよね。

好きというより憧れというか、、、夢見心地のような感覚といった方が伝わりやすいですかね。

では早速、補強した個体を見ていきましょう!

 

♂ 76.0mm(♂83.0赤目×♀47.0赤目)

2024年10月上旬羽化。CBF4

 

♀ 48.0mm(♂83.0赤目×♀47.0赤目)

2024年6月下旬羽化。CBF4

 

産地はインド・ウエストベンガル州タイガーヒル。

タイガーヒルのインドアンテといえば、我が家では大型血統の個体が幼虫(現在16℃前後でじっくり成長してもらってます。)で存在しますが、今回の個体達は赤目の血統となります。

初のカラーアイですが、赤目はカッコいいですね。

 

 

アダーコレクションの体現、ムシキング世代としては胸熱です!!

繁殖はオスの成熟を待って春先頃でしょうか。

通常の黒目個体よりも繁殖などの難易度が上がるとは聞くのですが、なんとか血脈を繋げていきたいところです。

というより、意地でも繋げます!!


赤目の遺伝はメンデルの法則?


 

さて、虫の赤目に関してはメンデルの遺伝が通用するというのが定説です。

 

メンデルさん

ショウジョウバエで習いましたよね、今や憎き敵方ですが。笑

そして久しぶりに調べてみると最近は優性、劣性とは言わないんですね。

どうやら顕性、潜性に言い換えると日本遺伝子学会で定められたようです。

 

 

まあ、昨今の情勢から考えると漢字の意味合いでも後者の方が適切ですね。

少し脱線しかけましたが、メンデルの遺伝であればおそらく赤目は”潜性”に該当するでしょう。

遺伝子型をアルファベットのRとrで示すと”rr”というやつです。

そうなれば形質を維持するためにはインブリードが主体ということになります。

今回増種した個体はCBF4ということでまだ累代障害が頻出するレベルではないでしょうが、後々のことを考えると新たな血の導入は課題となってくるでしょう。

というわけで、インブリードラインの他に保険となるラインを作っておきたいというのが本音。

 

 

先ほどのメンデル遺伝に戻りますが、潜性の遺伝子を発言させるにはrrにならなければなりません。

黒目を顕性(R)、赤目を潜性(r)とする場合に、黒目の個体と赤目の個体でアウトブリードを行うと遺伝子型はRR×rr→Rrになります。

つまりアウトブリード後の次世代(CBF1)では全ての個体が黒目(Rr)です。

そしてCBF1同士をインブリードすると次世代(CBF2)ではRr×Rr→RR:Rr:rr=1:2:1になるので25%の個体群には赤目が現れるということになります。

この場合、ここで出てきた赤目個体の遺伝子型は当然(rr)ですから元の赤目ラインの子と同様にインブリードを行えば、理論上は赤目しか産まれません。

そして赤目を発現させる遺伝子以外の部分で黒目由来の遺伝子が混じる為、累代障害も出にくくなるはずです。

これがメンデル遺伝で新しい血を導入するパターン。

ですが、調べるとどうやらそんなに単純な話でもないようです。

というのも赤目と一口に言えど、発現に関わる遺伝子群は複数パターンあるようで別ラインの赤目同士を掛け合わせても赤目にならない場合があるのだそう。

 


多くの表現型は、複数の遺伝子が関係している⁉︎


 

赤目を司る遺伝子が単一なものでない場合、具体的にはABO式血液型などがわかりやすいですが、一般に多くの表現型の発現には、複数の遺伝子が関係しているとされます。

つまり赤目発現の遺伝子があるのではなく黒目の発現を抑制する遺伝子があるパターンや単純に遺伝子型が多いパターンなど色々考えられてしまいます。

そんな場合、CBF2群でも赤目が現れず、個人的な考察レベルではほぼ迷宮入りなんてことも。。。

まあ、こればっかりはやってみないとわからないのでウチのタイガーヒル黒目♀が羽化したら試しに1頭だけ赤目♂と掛け合わせてみようかと思います。

上手くいけば足掛5年ほどで血の入れ替えが出来た赤目ラインが誕生してくれるはずです。

理論通りでないなら、その群は全て門外不出になっちゃいますが。。