アンタエウスオオクワガタという種類。
我が家で飼育しているアンタエウスは2産地。
マレーシアのゲンティンハイランド産のマレーアンタエウスとインド・ウエストベンガル州タイガーヒル産のインドアンタエウスです。
マレーアンタエウス
インドアンタエウス
成虫の形状では亜種というよりも別種と呼べるほど違いのある2種ですが、産卵や幼虫飼育の最適な環境という点でも違いがあるのではないでしょうか。
個人的に国産オオクワ寄りの飼育法で良さが出そうなのがマレーアンテ、より特異的なのがインドアンテだと考えています。
ということで今回は考察を交え、両者の比較をしていきましょう。
マレーアンタエウスの産卵について。
まず第一弾の今回はマレーアンタエウスの産卵について。
そもそもアンタエウスはマット産みとされますが、実際のところはどうなのでしょうか?
“マットに産む”と”マットにも産む”とでは文字面こそ似通っていますが、意味合いとしては雲泥の差です。
もちろん、マットで産んでくれる種類なのでわざわざ産卵材を入れなくても良いわけですが、仮にマットだけ敷き詰めて産んだとしてそれがアンタエウスの♀にとって最良の産卵環境ではないかもしれません。当然逆も然りですが、、、。
我が家のマレーアンタエウスの場合、マットにはあまり興味を示さず、産卵材を穿孔し産卵行動に入りました。
もう少し具体的に産卵までの行動を記載すると、交尾確認後に産卵セット(KBファームの栄養フレークと柔らかめのクヌギ榾木)に投入すると、まず産卵材を中心に自身が通る坑道を掘り始めました。出口は3箇所ぐらいあったでしょうか。
ちょうどゼリーの周辺に坑道の出口があったのは偶然なのかもしれませんが、どうやら自分の産卵床を形成しているかのようでした。
ゼリーを4個ほど平らげると産卵材に穿孔。
国産のオオクワガタの場合は材の側面から穿孔するイメージでしたが、材の断面から穿孔しておりタランドゥスなどと近い性質かもしれません。
穿孔開始から2日もすれば入り口部分には木屑が山盛りになりました。
さて、それから20日ほど様子を見て割出しを開始。
材の内部は写真のように木屑で固められていました。
そして木屑と材の境目部分に卵を産みつけているようで、卵も幼虫も境目に集中していました。
結果は幼虫11頭、卵13個。
そのうち幼虫5頭と卵9個は材から出てきました。
この結果をどう考えるかですが、アンタエウスの中ではやや産み渋りの傾向があるとされるマレーアンテの1回目の産卵では上々の結果ではないでしょうか?
結果論ではありますが、マレーアンタエウスの産卵では産卵材が必要と考えて良いかと思います。
もちろん産卵材は柔らかめで。個人的には太材の柔めがベストだと思っています。
飼育環境
時期 : 2024.11.24〜12.31
ペアリング期間は2024.11.16〜11.24
温度 : 20〜21℃
容器 : クリアスライダーラージ
マット : 栄養フレーク(KBファーム)
産卵材 : クヌギ材太材柔め(君嶋きのこ園)