【 考察録 】菌糸について考える。



2024年のNLB参戦ライン(YG24-B01)


 

 

2024年のNLB参戦ライン(YG24-B01)は♀が頑張ってくれたおかげで87頭の幼虫が誕生してくれました。

趣味は探究心が尽きないからこそ趣味であると思っているので、我が家では貴重なラインですが幾つか検証をしております。

(もちろんNLBには全力で挑んでいますよ、全頭同じ管理にはしていないだけで。)

 


オオクワガタにはオオヒラタケが合う⁈


 

さて、オオクワガタにはオオヒラタケが合うということはブリードされている方ならご存知だとは思いますが、幼虫の全ての段階でオオヒラタケの菌糸が合うのかに関しては疑問が残ります。

 

 

もしかしたら”暴れ”の要因は酸素供給量などの他、成長具合にそぐわない菌糸から逃れようとしているのかもしれません。

そうであれば適宜様子を見て使用する菌糸を変えていく方が幼虫の為になるのではないか?

そんな疑問が湧いたので、個体数の多いこのラインで“菌糸について”検証することとしました。

 


検証


 

まず初齢時に投入する菌糸カップ及び一本目の800ccはオオヒラタケ(G-ZERO)に統一し、2本目をオオヒラタケ(G-ZERO)継続群と高添加ヒラタケ(F-ZERO)群に分けました。

前群が16頭、後群が18頭です。(全部♂)

なお、F-ZERO群では基本的にクヌギブナ混合50%を使用していますが、1頭だけクヌギ100%管理をしています。
他の検証との兼ね合いで使用しましたが、同じ添加割合の菌糸ですので加えています。

産まれた時期が違うので、投入時期や交換時期など各条件を完全に合わせることは出来ない為、まさに趣味レベルの考察になってしまいますが今後のブリードに少しでも還元できる発見が出来れば幸いです。

 

初齢期のプリンカップ導入については別に検証しているので、後日考察しようと思います。

 

我が家の管理で健康な能勢YG血統であればプリンカップから移行し、800ccを1本食べさせるとおよそ30gがアベレージになります。

3齢幼虫の期間を初期(加齢直後)、中期(身体は成長しているが透明感のある状態)、後期(全体的に黄色味を帯びてきた状態)の3つに分けるとすると1本目交換時は中期にあたることがほとんどです。

この段階からもう一度オオヒラタケを食べさせるのか添加剤の多いヒラタケを食べさせるのか、2つのパターンであればどちらが良いのでしょうか?

 

図に示したのはオオヒラタケ(G-ZERO)管理群の体重推移です。

 

こちらはヒラタケ(F-ZERO)管理群です。

 

どちらの管理でも2本目交換時に体重を落としてしまっている個体が居ますが、幼虫自身のキャパの問題でしょうか。

 

さて、ご覧いただいたとおり体重推移では平均増加量はF-ZEROを使用した後半の群に軍配が上がります。

G-ZERO群→平均増加2.95g

F-ZERO群→平均増加3.52g

そして興味深いのは2桁gの増加が見られたのはそのF-ZEROの群だけであるという点です。

もちろん、今回の検証ではサンプル数も少なく、その他の要素もばらつきがあるのでたまたまかもしれません。

高添加なF-ZERO群では食べきれない幼虫も顕著で諸刃の剣ではありますが、個体のポテンシャルを出し切るという観点では追求していくべき結果でしょう。

この結果を元に、個体数を大幅に増やす(予定。あくまでうまく産卵してくれればです。笑)2025シーズンでは初齢期をプリンカップ(G-ZERO)、2齢からG-ZEROの800cc、そして2本目からはF-ZEROの1400ccに繋いでいこうと思います。(♂の場合)

なお、羽化ボトルに関してはまだ考察中なので、追加で複数の検証を仕込む予定です。

ではでは。