能勢YG血統 YG24-A01ライン 菌糸瓶交換 1-①



YG24-A01(♂ 84.3mm×♀ 54.0mm)ライン


 

我が家では初めての能勢YG血統となりますヒロインターナショナル氏からのYG24-A01(♂ 84.3mm×♀ 54.0mm)ライン。

♂は同腹個体に2022年のNLB優勝個体である91.6mmを筆頭に、89.0mm88.0mmを持つヒロインターナショナル氏の22-20(HA)-58。

♀は同じ背景のヒロインターナショナル氏の22-20(HA)-52です。

能勢YG血統というと既に洗練された血統ですので、過度なインブリードは悪影響を及ぼしかねないですが、今後のブリードに良い結果をもたらしてくれることを期待します。

 


目標


 

このラインはインブリードによる形質の固定が最大の目標です。

♂は大顎が直線的に伸びた能勢YGらしい形状をしています。一方で体重の推移をみると1本目交換時34.1g、2本目の交換時に35.5gで羽化しています。最終体重が35.5gで84.3mmというわけですが、同腹の結果と比べてみると還元率は決して良くありません。

私はこの還元率というのがミソだと考えています。

というのもオオクワガタのブリードではサイズを求めることが大前提となってきますので、最終体重と羽化サイズとの関係に相関性を持たせて考えることがよくありますが、ブリード時の体重の推移は点でしか把握できていません。しかも幼虫の体重の3〜10%ほどにもなるフンの排出の有無すら確認できていないことが多分にあります。であれば極太血統のような対極の形質ではない限り、形状や成長の差は微々たるものが多く、遺伝よりも個体差の範疇に留まると考えてしまっても良いのではないでしょうか。

 

少し話は外れてしまいますが、血統を考える上で競馬の世界はおそらくクワガタ界隈よりも先に行っているでしょう。到達点を何にしているかは違えど、参考になるであろう事柄はいくつかあります。

例えば「奇跡の血量」と呼ばれる配合はインブリードの中でも特に効果があるとされており、組み合わせが、父方と母方の4代前と3代前に同じ祖先を持つ4×3(もしくは3×4)の配合のことを指します。

3代前の祖先の血量(12.5%)と4代前の祖先の血量(6.25%)を合わせた18.75%の血量こそが、インブリードの効果を最も高めるとする理論です。

競馬の場合は、身体能力の強化を目的としたものですが、体長に置き換えたとしたらどうなるのか?まず検証している人はいないのではないでしょうか。

そんな裏テーマを設けるべく、まずはその基準となる成長力のある個体を育てて行きたいと思います。

 


菌糸瓶交換


 

今回交換するYG24-A01ラインは2024/05/13に800ccのG-ZERO菌糸ボトルに投入して2024/08/12に2本目に移行させます。

なお、全頭ではなく食痕の状態から交換時期に相応しいボトルのみ選びましたので、5頭のみです。

この段階で順調に30gを越えていれば次世代の種親の有力候補となります。

さて、実は今回から2本目のボトルを新たなカタチに変更してみました。

 

 

これです。クリアスライダーにG-ZERO菌糸を詰めた幼虫管理ケースです。

酸素供給量を強化することが最大の目的ですが、極力居食い時のスペースを増やすことも念頭に入れました。2本目のボトルとして一般的な1400ccボトルと容量自体はほぼ同じなので、この変更が吉と出ることを期待します。

 

 

幼虫投入用の穴はリンゴの芯抜きを使用して開けていきます。

価格的にも性能面でも1つあれば、重宝しますよ。

 

クリアスライダーですとボトルよりも投入口の箇所の自由度が高いので、容器の隅に開けてみました。

早速、交換していきます。

 

 

 

< 1本目 ( YG24-A01-04 ) >

 

 

さて、1本目ですが外観からでは食痕は8割ぐらいまで及んでいます。

 

 

食痕はこんな感じです。しっかり食べれている印象ですがどうでしょうか?

 

 

結果は18g。明らかに♂なんですけどね。

 

< 2本目 ( YG24-A01-07 ) >

 

 

さて、気を取り直して2本目です。

こちらも食痕は8割ほど。

ボトルを開けた瞬間に杉材のような香りがします。これはあまり良い傾向とは言えません。さあ、どうでしょうか?

 

 

結果は18g。んー、脂肪も乗ってきているので今後の成長もあまり期待できないかもしれません。

 

< 3本目 ( YG24-A01-08 ) >

 

 

さて、3本目に参りましょう。

これは側面から幼虫が見えます。食痕も8割型といったところで、フンの色味もいい感じです。

 

 

結果は、33g。これは想定外にいい結果です。親越えも視野に入るサイズになっています。

このラインは初齢のタイミングから成長が芳しくない個体が多かっただけに吉報です。

今後の成長にも期待しましょう。

 

< 4本目 ( YG24-A01-10 ) >

 

 

4本目です。先ほどの余韻に浸りながら掘り下げていきます。

 

 

結果は、18g。なんなん、18gの呪縛に苛立ちすら覚えます。どれか1頭でも♀であればいいのですが、、。

 

< 1本目 ( YG24-A01-11 ) >

 

さて、今回最後になります5本目。

 

 

このボトルも側面から幼虫が見えています。

 

 

結果は20g。この子も♀であってほしいんですが、、。

まあ、若干の不完全燃焼感もありますが、どの子も今後の成長を期待したいと思います。