幼虫の成長期
幼虫の成長期はおおよそどの種でも3齢初期〜中期頃であるとされています。
しかし当然ながらその時期だけが重要というわけではありません。
個人的に各段階に以下のような役割があると考えています。
・初齢、2齢→成長期の土台となる時期。この時期に必要な栄養を確保出来るかどうかで頭幅やその後の成長曲線に違いが出る⁈
・3齢初期〜中期→まさに成長期。この時期が長いほど成長するため、低温飼育をするほど大型化する傾向アリ。低温飼育に適した菌糸(カンタケ、ヒラタケ)により成長を引っ張ることが鍵。
・3齢後期→蛹化までの準備期間。前蛹〜後食までの長期間を乗り切るための栄養分を脂肪として蓄える時期。十分蓄えると蛹室作りに移行する。
大まかに幼虫期間を分けるとこんな感じではないでしょうか。
成長期まんぷく大作戦。
私の通常のオオクワガタブリードでいくと割出した幼虫は、初齢でプリンカップ120ccに投入し、1ヶ月後に菌糸瓶800ccに移行、その後食い上がりをみて2ヶ月半〜3ヶ月で菌糸瓶を交換するといった流れです。
つまり2本目の菌糸瓶に移す頃には孵化してから4ヶ月ほど経過してからということになります。
菌糸瓶の交換は幼虫にとって大きなストレスになると考えられるので、交換後数日間は栄養を摂ることよりも住処を確保することに必死なはずです。せっかくの成長期にこのロスはあまりにも痛いですよね。
ということで成長真っ只中の菌糸交換は避けたいわけですが、実際いつ頃が最も重要な時期なのかについては推測の域を出ません。
ですが、3ヶ月で次の瓶に交換するのは菌糸の劣化や食域の不足などが原因でそうでなければもっと引き延ばしても良いはずです。
では、初回に投入する段階で容量の多い瓶に入れてしまえば解決かといえばそんなこともなく、菌糸が長持ちするというのは菌の力が強く、オガが荒い場合で、そんな菌糸を初齢から食べられる幼虫はごく僅かです。
つまり初期の段階では優しい食べ物を与えて、ある程度食べられるようになってから長持ちのする菌糸瓶に投入する流れが懸命であると考えられます。
そんな検証を兼ねて実験的に今期取り組んでいるのが幼少期を多頭飼育してその後、個別管理に移る方法です。
![]()
前述のように長持ちするような菌糸を与えるといじけてしまう幼虫が出てしまいますが、それを避ける目的での多頭飼育です。幼虫それぞれが菌糸を食べていくことで共生バクテリアの増加が促進され、菌糸の再生能力を穏やかにするなど複数のメリットが望めます。
現状はどの程度の期間を過ごしてもらうか追加の検証が必要な段階ですので、今回はとりあえず2ヶ月ほどで様子を見ようと思います。
![]()
そして個別管理ではクリアスライダーに菌糸を詰めた容器に管理して4ヶ月ほど居食いしてもらう算段です。
公式の容量は1400ccとされていますが、事前に水を用いて容積を図ったところ、1500ccのボトルよりはクリアスライダーの方が水がよく入ったので、容量面は十分かと思います。
![]()
使用する菌糸はヒラタケ。理由は時間経過と共に水分量が減少するという独特の性質と管理温度との兼ね合いからです。
基本的には飼育環境を23℃前後に固定して飼育していく期間が長いので、その温度帯での適性があり、多頭飼育、個別飼育においても劣化を起こしにくい(劣化には多数の要素が絡んでいますが、多頭飼育時においては幼虫同士の移動によるオガの泥化が劣化の引き金を引くと考えました。)菌種だからです。
![]()
![]()
オガの種類よりはオガ粉の粗さに重点を置いて考えていますが、幼少期はとりあえずDDAさんのF-ZEROクヌギを成長期にはより肥大させることに念頭をおいてF-ZEROクヌギとF-ZEROブナを50%ずつの配合で与えようと思います。
結果は来年の羽化までわかりませんが、うまくいけば成長期をまるまる1つの菌糸ケースで過ごしてもらえる可能性がありますので非常に楽しみです。