魅惑の菌糸 MT160



MT160


 

 

ずっと興味があった菌糸を今季から使ってみることにします。

菌糸に使用される菌種としては珍しいシワタケを用いた微創研さんの菌糸です。

MT160(エムティーイチロクマル)は、オオヒラタケやヒラタケなどと同様、白色腐朽菌の仲間で和名はシワタケ、学名はMerulius tremellosusといいます。

ちなみにM.Tは学名の頭文字、160はメーカーの菌株保存番号BMC-9160の末尾に由来しているようです。

特徴は菌糸の持ちが大変良く、キノコの発生がほとんどないこと。

つまり2度食い、3度食いまで投入期間を引っ張れることが最大のメリットとなります。

しかもこの菌糸は菌が廻り出すとマットを固詰めしたようなオガの詰まり方になるようで、幼虫はじっくりと居食いをしてくれるらしい。

適合種はどこまでなのか明確には分かっていないようですが、ヒラタ系やアンタエウスなどの根食い系とされる虫によく合う様です。

 


見解


 

ヒラタクワガタ類やアンタエウスに効果的というところから少し拡大解釈してみます。

上記に挙げた虫達は基本的に菌糸でもマットでも割とサイズが出ます。個人的なポイントはここかなと思っておりまして、菌糸>マットが顕著なオオクワガタなどと違い、マットでも大型化が狙える種類(その中でも菌糸投入も可能な種類)には特に効果を発揮するのではないかと考えました。

 

 

現在あまり利用されていない種で考えるとパラワンオオヒラタクワガタ、ギラファノコギリクワガタ、フォルスターフタマタクワガタ、マンディブラリスフタマタクワガタ、ユダイクスミヤマクワガタなどには効果を見込めそうかなと思っております。

 

フォルスターフタマタクワガタ・キヨタミ

 


菌糸詰め


 

さて、いよいよ菌糸瓶を作成していきたいと思いますが、我が家では1400ccに相当するボトルはクリアスライダーで作成してますので、今回も例に漏れずクリアスライダーに詰めていきます。

 

 

クリアスライダーの容量は1400cc、すり切り付近まで入れると1600cc弱になります。

今回は容量MAXまでは入れないつもりなので、多くても1500ccぐらいのイメージです。

MT160の既成ボトルから算出したおおよその重量(オガ部分のみ)は1400cc換算なら830g、1500cc換算なら900gが目安となります。

 

 

クリアスライダー本体蓋付きの重量が184gですから

1400ccの重量なら184g+830g=1014g、

1500ccなら184g+900g=1084g。

計算上はこれぐらいで良さそうなのですが、MT160の場合、菌糸ブロックを崩した瞬間のオガはボトル投入後のオガよりも水分量が若干多いはずなので1100gぐらいを目標値として詰めていきたいと思います。

 

 

今回購入したのはMT160P platina オールクヌギ 細・粗混合の8ブロック。

 

 

届くまではブロックの状態で追熟が必要かと思ってましたが届いてみるとしっかり身が詰まったブロックばかりで即菌糸詰めが可能と判断。

 

 

画像でお分かりいただけるか分かりませんが、上部にはしっかりと菌糸膜が張っており、四方も菌が廻っていることが見てとれます。

 

 

菌糸の膜が特徴的で、他の種(オオヒラタケやヒラタケ)には見られない寒天ゼリー状の質感です。

 

 

オガ自体も菌が巡っていることでネットリとした粘度のある状態になっています。水分比率は53%とされていますが、感覚的にはもう少し多いぐらいに感じます。これも菌糸の特徴でしょうか。

 

 

今まで触れたことのない感覚の菌糸でしたが、使いこなせたら間違いなく武器になるはずです。

 

寄ってみるとこんな感じ。

伝わるでしょうか?この粘度。実際に触れてみるとマットを好む種類に相性いいのがこの状態でも良く分かります。

 

 

他の菌糸よりも軽く詰めることが鉄則なようですが、意識的に軽く詰めるのは意外と難しいもので、、、。

 

1番詰めすぎたケースはこんな重量に。

とりあえず今回は菌糸の特徴を知ることを目標に据えているので、詰め直しせずにケース全てに重量を控えておくこととしました。

オガにさえ崩してしまえば軽く詰めるだけの作業なので、一気にスピードアップします。

この辺りは他の菌糸よりも楽なので嬉しい誤算。

とはいえブロックの状態の時は粘度があるくせに硬いので崩すのには多少苦労します。

 

 

結果、今回は4ブロック(当初は3ブロックの予定でしたが、中途半端に残ったので。)でクリアスライダー9個分の菌糸詰めが出来ました!

菌の廻る速度は遅めらしいので、その経過もまたレビューしていきます。